日本から完全に転出するときは、市区町村への転出届、健康保険料と税金の精算、在留カードの取扱いを先に確認しましょう。 年金の脱退一時金は、要件を満たす外国籍の人が日本に住所を有しなくなってから原則2年以内に請求する制度ですが、受け取ると請求前の日本の年金加入期間がすべて無効になるため、出国すれば必ず請求するのが得策とは限りません。
手続きは出国前の役所・税金と出国後の年金請求に分けると整理しやすくなります。将来日本で再就職する人や社会保障協定を使える人は、払い戻しと将来の年金受給を比較してください。
出国までの時系列
| 時期 | 行うこと | 注意点 |
|---|---|---|
| 4~6週間前 | 雇用主、家主、公共料金・通信会社に終了日を確認。給与明細、基礎年金番号を保存 | 海外から再発行しにくい書類があります |
| 国外へ転居する前 | 現在住む市区町村に**転出届(国外転出)**を提出 | 空港から出ることと住民登録から転出することは別です |
| 保険を終える前 | 国民健康保険(国保)か勤務先の健康保険かを確認し、資格喪失日と保険料の精算を相談 | 最終月の保険料や後日の請求を確認します |
| 出国前 | 1月1日の住民登録地に係る住民税、所得税申告、必要に応じて納税管理人を確認 | 出国しても過去の納税義務は消えません |
| 完全出国時 | 再入国許可を利用しない出国では、空港等の入管窓口で在留カード返納を確認 | 将来の在留資格を保持する方法ではありません |
| 出国後 | 年金加入期間を調べ、受給資格・通算協定と比較し、請求するなら期限内に申請 | 金額の上限と加入期間の消失が重要です |
出入国在留管理庁は、海外へ引っ越す場合の出国前の転出届を案内しています。日本年金機構は、脱退一時金の請求時に日本に住所がないことを求めています。
脱退一時金を受け取れる人
日本年金機構の公式請求書・説明によると、主な条件は日本国籍ではないこと、公的年金の被保険者でないこと、国民年金の保険料納付済期間等または厚生年金の加入期間が6か月以上あること、日本に住所がないこと、老齢・障害年金等を受ける権利を得たことがないことです。請求期限も確認してください。国民年金の未納月はそのまま納付済月になりません。
老齢年金の受給資格期間が120か月(10年)以上ある人は、原則として脱退一時金を請求できません。ここでの受給資格期間には社会保障協定による通算等が関係する場合があります。
また、支給額の計算に使用する加入期間は原則60か月(5年)が上限です。対象期間が2021年3月以前だけの場合には36か月上限となる特例があります。ただし一時金を受け取ると、計算に使われなかった期間を含む請求前の日本の加入期間すべてが無効になります。
異なる2人の例:
- Aさん:加入30か月、帰国後に日本で働く予定がない。 加入期間等が要件を満たせば一時金を請求できる可能性があります。しかし母国との年金通算協定が将来の受給に使えるか確認してから判断しましょう。30か月だけで払戻額を決めつけることはできません。
- Bさん:加入90か月で、数年後に再来日して働く可能性がある。 一時金は最大60か月を基に計算されても、受給すると90か月すべてが無効になります。将来の10年資格に近い人ほど慎重な検討が必要です。
社会保障協定と通算の説明によれば、協定相手国の加入期間を合算できる場合があります。ただし、二重加入防止だけの協定が必ず期間通算を認めるとは限りません。国ごとの最新の協定内容を日本年金機構に確認してください。
年金の請求書・口座・税金
年金機構の請求書には、旅券の本人確認ページ、日本に住所がないことの証拠(転出記録で確認できる場合を除く)、本人名義の銀行口座の銀行名・支店名・所在地・口座番号、基礎年金番号が分かる書類などが指定されています。日本から郵送する場合でも、年金機構が受理する時点で日本に住所がない状態になっていなければなりません。早すぎる提出や期限切れに注意しましょう。
税金は加入制度で異なります。 年金機構の公式説明では、非居住者が受ける厚生年金の脱退一時金に20.42%が源泉徴収されます。国民年金の一時金にはこの源泉徴収がありません。厚生年金の源泉税は所定の退職所得の選択課税による還付申告によって還付される場合がありますが、自動ではなく全額返金を約束するものでもありません。必要に応じて日本国内の納税管理人と税務署へ相談し、支給決定通知書を保存しましょう。
1月1日の住民税と所得税
新宿区の公式案内では、住民税は一般に1月1日時点の住所地において前年の所得を基に課されます。2026年1月1日に居住し10月に出国する人は、2026年度の住民税を出国によって自動免除されるわけではありません。給与からの徴収、納付書、代理納付などその人の残額と市区町村の案内に従います。出国後の翌年度の扱いは実際の住所・所得・課税条件を確認してください。
国税の所得税については国税庁の出国案内を参照してください。帰国後にも確定申告義務が残る場合は納税管理人を出国前に届け出て通常の期限に申告する方法と、管理人を選任せず出国前に準確定申告する必要がある場合があります。住民税の納付と所得税の申告は別の手続きです。
国民健康保険・退去・在留カード
**国民健康保険(国保)**に入っている人は市区町村に資格喪失・保険料精算を確認します。勤務先の健康保険に加入する人は雇用終了日や保険証の資格を会社に確認します。新宿区も帰国・転出する際の保険料精算を案内しています。資格がない期間に保険を使用しないでください。
賃貸住宅は予告期間・原状回復・敷金返還条件を契約書で確認し、立会い、写真、鍵の返却、光熱費とインターネット解約を整えます。銀行口座は給与・敷金・年金の振込や税金支払いに使う予定が残るなら、居住地変更後の口座取扱いを金融機関に確かめ、連絡手段を確保してください。
入管庁の在留カード返納案内によれば、再入国許可によらず完全出国する場合は出国時に返納します。再入国許可で出国したが期限内に戻らず無効になった場合などは異なる返納手続きです。カードを持ち続ければ永続的に在留できるわけではありません。
きょう確認すべきこと
市区町村で国外転出と国保の精算、勤務先で最終給与と税金、税務署で必要な納税管理人、年金事務所で加入履歴・通算の可能性を確認してください。将来戻る可能性があるなら、脱退一時金請求で全加入期間が失われる不利益を理解してから決めましょう。
初めて日本に住むときの手続きについては転入・国保・年金の最初の1か月を参照してください。
